バンクーバーだけでなくカナダ全体で見かける日本人の若者は、語学留学・ワーホリ(ワーキングホリデー)といった半年〜1年程度の滞在者が多い。
皆が口を揃えて言うのが「お金がない」。
衣食住すべてが高いし、遊びたい。英語を勉強しないで帰国するわけにいかないので、語学学校代もかかる。そして費用の割に、英語力が伸びなくて困っている人もいる。
留学の最後の記念に横断旅行を、という考えもあると思うが、私はまず旅行してみて、切符購入や食堂車の相席でシドロモドロになって、それから学校を決めたりするのがよいと思う。自分の英語の実用面でのレベルがわかるだろう。英語が全然できなくても、皆が親切なのでなんとかなるのがカナダの鉄道旅行のよいところだ。
時間は限られている。英語を勉強してから旅するよりは、旅をして何が自分に欠けているかを認識するほうがよい。勉強するといっても、あれもこれもはできないのだから。
私が20歳で英語を一から勉強するとしたら、
・日本語を極力使わない(学校なら日本人の限りなく少ない)環境に身を置く
・ひたすら英作文に励む
・英作文を声に出して読んでnativeに聞いてもらって、発音や文章の誤りを直してもらう。
この3つに全力をかけるだろう。
私もいろいろ苦労したのだ。映画で学ぶ英語、なんてのも挑戦したことがあった。映画は面白いし、それで英語力が伸びるなら一石二鳥だ。だけど、たくさん観ただけ英語力が伸びる、ということを実感しないのだ。たくさん観たことによるメリットは、カナダ人の話題について行きやすい、というぐらいで、英語力とは無関係だ。
読むのは大事だ。だけど、初級者にはものすごく辛い。たくさん読んだだけ英語力が伸びるのだけれど、それを実感するのはかなり後だ。
聞くのも大事だ。これも同じで、初級者にはものすごく辛い。たくさん聞いただけ英語力が伸びた、と実感するかどうかちょっと疑問だ。たくさん聞くのではなく、意識を高めて答え合わせをしないと学習効果が上がらない。
努力に比例して伸びる、これは英作文が一番だ。そして読んで、nativeにチェックしてもらう。「どこの語学学校がおすすめですか」と時々聞かれるが、この英作文チェックをしてくれるかどうかが語学学校の善し悪しだと思っている。
日本人が少なければ少ないほど語学にはよいのだが、もう一つ付け加えると親日的な環境がベストだ。日本人が珍しいし日本に興味がある、そんな人がいる環境に身を置ければ、英語力は飛躍的に伸びるはずだ。
そして帰国前にもう一度旅をして、食堂車で英語力の上達を実感できれば、こんな素敵な思い出はないのではないか。