人があまり行かないようなところに行ってみたい、という冒険心あふれる旅人におすすめなのが、バンクーバーから車で約3時間半のLilooetを走っているミニ列車「Kaoham Shuttle カオハムシャトル」です。
(観光地ではないので誰にでもおすすめというわけではありません)
道路が整備されていない場所を結ぶ、地元住民(First Nationsと呼ばれる、いわゆる原住民)のかけがえのない交通機関なので、観光列車とはまったく趣が異なります。
車窓には、エメラルドグリーンの湖畔がいっぱいに広がり、カナダの自然を堪能できます。
上のような写真をとることになったのは、観光客が珍しいので、運転手さんに景色のいい前に座ったら?なんていわれたからです。
車内から前方をみたところ。
右側が運転席で、左側の座布団がおいてある(赤矢印)椅子?箱?に座るよう勧められました。
沿線は野生動物の宝庫でもあります。
私は写真は素人ですが、コンパクトカメラでもワシがこれくらいに撮れるくらい近くにいます。
動物がいると、運転手さんがわざわざ列車を止めて教えてくれます。
なんだがプロ仕様のカメラで撮影しないと申し訳ない気持ちにすらなります。
野生の羊(Mountain Sheep)が線路沿いで草を食んでいます。
列車が来てもなかなか線路から離れません。
カナディアンロッキーなどで野生動物観察ツアーなるバスツアーを何度も利用しましたが、そのようなツアーよりも多くの動物を見ることができたりもします。
夏はクマの親子がよく線路脇を歩いています。
乗客は住民だけなので、誰も景色に興味を示してはいないのですが、「いちいち列車を止めるな!」なんてことは誰もいわず、のんびりしたものです。
それもそのはず、車内は16人分の椅子しかない超ミニ列車で、しかも乗客もまばらです。
先を急ぐ人など全くいません。
なにもない途中駅ですが、乗り降りがあるから不思議です。
この地域は、日系人の強制収容所があった地域という暗い歴史を持っています。
痕跡はまったくといっていいほどありません。
何年か前に、80代後半の日系人の老婆が、昔住んでいた強制収容所を死ぬ前にいっぺん見たいと、家族に支えられてこの列車に乗ってきたと、運転手に聞かされました。
目指す跡地は、残念ながら列車の終点よりもさらにかなり奥地にあることがわかり、駅からその方角を眺めるだけで訪問は断念したとのこと。
老婆は帰りの列車でずっと泣いていたそうです。
昔の苦労を思い出してのことか、沿線の収容所がすべて撤去されて景色が変わってしまっていたからか、目的地に到達できなかったからなのか、、、
片道1時間と、長すぎません。景色がよいのでもっと乗っていてもいいくらいですが。
観光列車ではないので、往復$10と料金も良心的です。
週2~3便があたりまえのカナダの鉄道の中では珍しく、毎日運転しているのもよいところです。(日帰り観光なら金曜日がよい)
地元カナダでもほとんど知る人のいない、「秘境を走るミニ列車」です。
ドライブの途上にも名所や、露天風呂などがあるので、時間に余裕のある方はぜひ訪問してみてください。
2 Comments